女性からみる日本の漁業と漁村
中道仁美編著『女性からみる日本の漁業と漁村』農林統計出版刊
女性の視点から漁業や漁村を語っている本は、そういえばこれまでほとんどなかったのではないか。本のタイトルのテーマだけからいっても、著者らの意欲的な、オリジナリティーあふれる活動が読み取れる。
『女性からみる日本の漁業と漁村』中道仁美編著・農林統計出版。2008年11月発行。A5判並製196ページ。
本の構成と担当執筆者:第1章「漁業の現状と女性の地位」(中道仁美)/第2章「漁業従事者における女性労働の位置」(三木奈都子)/第3章「陸上作業の再評価と女性の漁協正組合員化」(副島久実)/第4章「漁業地域における女性リーダーの育成」(藤井和佐)/第5章「環境と漁村女性」(関いずみ)/第6章「女性起業の直売活動と社会的展開」(中道仁美)/第7章「女たちと海」(木村都)/第8章「漁業における女性の研究史」(三木奈都子)
日本の漁村に生きる女性たちを民俗学の視点で著作した瀬川清子や、「婦人労働」研究の岩崎繁野が、この分野では先駆としてしられるが、1980年代以降の漁業情勢の変化を背景とした女性たちの活動や労働環境、漁村や漁業における役割の大切さにスポットを当てた専任研究者の報告は、非常に少なかった。
婦人部活動として魚食普及活動やセッケン普及活動、近年多くなった植樹活動といった行動の紹介はほとんどで、漁村という地域社会における位置づけや、漁業という産業の担い手としての女性の役割を正面からとらえようという視点が、残念ながら欠けていたということであろう。(書きかけです)MANA
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